2012年9月22日土曜日

大人買い

決して大人を買うわけではない....。
近年の造語にこの「大人買い」という言葉があるのは皆さんご周知のとおり。

田舎の小学生のころ親にもらった500円札を握りしめ、近所のプラモデル屋へ行った。店に入り以前から目をつけていた☆印タミヤの戦車のプラモの箱を手に取り、おばちゃんのところへ。おもむろにポケットをまさぐり......ん?無い!お金がない!....落してしまったのであろうか、顔がみるみる真っ赤になり、おばちゃんの視線を避けて何も言えず、立ちすくむ少年。一目散に家に帰る。親に対して申し訳ない気持ちと自分の不甲斐なさに泣き崩れて。しゃくりあげながら姉に事情を話すと、自分の財布から500円札を手渡してくれた。「行っておいで」と....。

田舎の少年にとって当時の500円といえば、地球を背負ったくらいの重みがあった。ましてや決して裕福ではない家だったから。これがトラウマになったのだろうか、筆者モノはかなり大事にするほうと自負する。Tシャツの襟首がガジガジになったら、外には着ていけないけれど部屋着替わりに使い、その余生を全(まっと)うさせる。更には棺桶一歩手前で雑巾に昇華させて、その生涯を終えるのだ。古いTシャツなどにハサミを入れる時ほど心が痛むことはない。「合掌」なんである。


時を経て中学生。当時の中学のサッカー小憎にとってドイツの舶来品(古っ)adidasは憧れの高級品であった。Pumaもしかり。筆者はせいぜい国産オニツカタイガー(現アシックス)やYasudaのシューズであった。



果たして今の自分。革製品、特に靴だけは譲れない。欲しいものがあると都内中あちこち探してまわるわけで。デザインやサイズの合わない靴をやむなく買ってしまった時ほどあとで後悔することはない。靴擦れなんぞしちゃった日には絶望の淵に追いやられること必至。


週末少年野球に履いていくPumaのサッカーシューズはもう5,6年は履いているだろうか。さすがにボロッボロのパクンパクンなんである。それでもってやっとシューズを購入。Amazonや楽天で検索は当たり前。キーワードは「adidas サッカー トレーニングシューズ」原宿のフタバスポーツへ行った。中学生のころ憧れて買えなかったadidasの大人買い....というには安くてセコイ買い物だがAmazonより安かったし。ネットで見るより3本ラインの色が赤じゃなく蛍光オレンジだったのにはがっかり。当然ジャイアンツカラーのイメージも抱いたけれど、それはあえて頭の片隅にしまい込む。本当はもっと安くてシンプルな白の3本ラインが欲しかったのだが、売り切れであった。
たっぷり逡巡したあと、清水の舞台から飛び降りるがごとく、えいやっとばかりにレジへ並んだ。本当はあの時のサッカー小憎の気分に浸りたいだけの「大人買い」なんである。

待てよ...!?
少年野球では基本、大人は子どものシューズの色に合わせねばならない。フレンズは黒一色でベンチスタッフのアップシューズの監督,29,28は絶対だ。筆者の審美眼ではあの黒い大人用のもっさりとしたデザインの野球アップシューズは嫌いなんである。白は悪くないけれど。もし自分に履けと言われれば、パンツを脱いで渋谷を歩くくらい恥ずかしい。
果たしてスコアラーやマネージャーはどうであったろうか。これがもし万が一ダメだとなると、筆者はもう一度清水から飛び降りて二度と帰らぬ人となるのである。
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