2015年9月5日土曜日

百華繚乱

「ヤマユリ」は神奈川県花なんである。家庭婦人バレーボールでも神奈川県では「やまゆり杯」てゆー大会もあるくらいだ。神奈川県下から女子野球少女をセレクションし、神奈川のベストメンバーを集めた少女野球チーム、その名も「やまゆり」。今年宮前からはサンダース・宮前QueensのAyanoが選ばれて参戦。

横浜銀行カップ神奈川県大会なんである。県内の強豪42チームがしのぎを削る。先週勝った有馬フレンズは今日、境川遊水池野球場Bグランドで上深谷ジャガーズとの対戦。その試合の前にAグランドで熱戦を繰り広げていたのが女子のやまゆり、なんであった。女子も男子チームに混じっての堂々の参戦なんである。筆者今年はフレンズが多忙でQueensに行けてない。その罪滅ぼしの意味でもカメラを携行しAグランドへ。
2:0でやまゆりリードであった。QueensのAyanoはベンチメンバー。あのAyano
でさえベンチということは、やまゆりのレベルの高さを物語るわけで。
試合中、姫たちは笑顔で応援。これは男子野球ではなかなか見られない光景である。男子ならば「おまえらナニ笑ってんだ!」と指導陣から怒号が飛ぶに違いない。

マウンドの投手の子は男子顔負け、いや男子を凌駕するほどの素晴らしい球を投げ込んでいた。男子でもそうそう打てるものではない。彼女たちもやまゆりの「一輪の花」であるが、応援母たちもショッキングピンクの応援Tに身を包んだ花であった。その背中には「百花繚乱」。その昔小田急百貨店のキャンペーンコピーの「百貨撩乱」というのを思い出した。試合は大差で華々しい活躍の花たちが男子チームに快勝なんであった。

Bグランドの有馬の野郎どもも負けてはいられない。
初回有馬フレンズの攻撃。四球で出塁のRuiは2,3盗塁を決めて、続くYuiが特大の左中間を破るタイムリースリーベースで先制、その後FCがらみで追加点を奪い2:0の幸先良い幕開け。この必勝パターンなら今日もイケルぞと思ったのは筆者だけではないはずだったが、このあと晴天の境川ドームの暗雲が垂れ込める展開になるのであった。

1裏、上深谷ジャガーズの反撃は1点、その後2回裏には、難なく2死後走者無しからまさかのDB、単打、四球からの長短打を浴びて4失点の有馬F。5:2と逆転さる。

Fの先発マウンドは舌をぺろりと出しながら投げる「ペコちゃん投法」のKyoh。
境川は白鷺の飛来する地としても有名だ。試合中も隣りの境川で1羽2羽と空を舞い優雅に野球観戦する白鷺が垣間見えた。その白鷺に呼応するかのようにKyohがマウンドで舞う姿は、折り鶴の鶴のような卍型なんであった。「ペコちゃん卍(まんじ)投法」と改めたい。

筆者、清水の舞台から飛び降りる覚悟で今、一眼レフカメラ購入を模索中なんである。昨晩は思わずAmazonでNikon D5500ダブルズームキットの購入ボタンを押すところだった。いやいや待てよ、Canonも捨て難い。あの白い望遠レンズへの憧憬(しょうけい )の念もある。スポーツや商業写真のCanon、芸術写真のNikon、どっちも魅力的な響きを以て筆者のココロを揺さぶるわけで。共同写真のカメラマンのCanonに思わず垂涎(すいぜん)なんであった。
某水泳選手の韓国での事件みたいに思わず手を伸ばしかけたくなっちゃうのであった。(筆者はあれは日本人選手は無実だと信じている一人だ)

4回表Fの攻撃は無安打ながらHajimeの犠牲フライからタッチアップで生還したRui、WPもからんでの2得点で5:4と上深谷Jに肉薄する。

筆者戦場カメラマンなんであったが、ふと遊歩道を見るとさきほどの、数人のやまゆり戦士たちがにっこにこの笑顔でこちらへ来るではないか。レンズを向けた筆者とQueensのAyanoの目が合った(気がした)。
筆者すぐに笑顔で手を振る、「おおーい、Ayano!」。すかさず女子たちが笑顔で応えて手を振りながら筆者に駆け寄ってきた。1メートルまで接近した時に互いにぴたりとフリーズ。世界中の時計が氷河期を迎えて凍り付いたように。
「アレ?」向こうも「アレ?誰このオジサン」
筆者目が悪いのですっかりAyanoだとばかり思った子は見知らぬやまゆりの女子であった。
その子はカメラを持ったオジサンが手を振ってきたので、条件反射的に思わず駆け寄っただけらしかった。
トホホのホ。一眼レフの望遠レンズを買う前にコンタクトレンズを買わなきゃなんであった。

終盤5回いよいよFの反撃なんである。下位打線から四死球犠打で走者を溜めると、主将Ruiのここぞの適時打で5:5の同点、Shohgoが四球を選び押し出し逆転などで一挙4得点で8:5のリードに転じた。大いに湧き上がるベンチ。
更に6回にはTaichiが安打で出塁、今年6年生ながら打席に立つ機会に恵まれないBuntaが代打に起用、セカンドゴロの間に1点加点、Buntaには今季二つ目の打点がついた。
9:5....。こちらにも最後にやっと華が咲いた。
下位打線が地道に上位に繋ぎ、上位打線が華々しく安打で返すフレンズ野球。しかし今日の華は下位打線の選手諸君にあった。まさに「百華繚乱」

終盤の逆転劇は胃と心臓に悪いけれど、終わってみればココロには気持ち良い風が吹き渡るものである。監督Satohには今度部費で胃薬を買ってやろうか。
ベンチスタッフを横から撮ると誰かしら陰になるものだが、今日のショットは10枚くらいシャッターを切ったら偶然全員の顔が収まった1枚があった。Nishinaka母が祈るように手を合わせた姿が印象的。
試合後スコアラー部長のAyumuオヤジが真剣にスコアブックを検証し加筆修正する。
選手はもちろんベンチスタッフも父母の応援も、我々OBコーチも一体となっての逆転勝利。
これだから少年野球はやめられないわけで。

試合後、駐車場へ向かう途中境川の川べりで白鷺の群れに出会った。
1,2羽しかいないと思っていたが川の中州には9羽の大群がいたんである。9羽?野球チームが出来ちゃうじゃんかよ。その中でも主将と思(おぼ)しきボス的白鷺くんにファインダー越しに声を掛けた。
「こんちは。宮前の鷺沼方面から来た有馬フレンズと申します。同じ鷺(サギ)のよしみで今度練習試合をどーぞ4649!」(※その昔沼地であった今の鷺沼駅前の地に、白鷺が飛来していたことに「鷺沼」の地名の由来がある)
......。
もちろん、すっかり無視されちゃったのは言うまでもない。
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